●Kare Joes / People I Promised To Metio (71‘) カナダ ORG◉盤:EX-(盤面綺麗なのですがB-3で20回程パチノイズが入る傷あり) / ジャケット:EX++※特にA面ラスト曲(Eyes full of sorrow)など、これほどまでにLida Perhacsの感性に近い曲想や歌のニュアンスを他で感じたことはありません。71年というハズレ作品がほとんど無い、パーソナルで自由な音楽が昇天開花した数年間(69〜71、ギリ74まで)、その絶頂期に、カナダに、人知れず、こんな素晴らしい作品を生み落としていた一人の女性がいました。2枚あるアルバムのもう一枚の方(木造の橋の上でイギリスの国旗みたいな服を着ている)を見たことがある人が多いと思いますが、内容的に、歌い方のニュアンスなど別人のようで、圧倒的にこちらの方が儚げで少し陰りのあるアシッド感が雌雄を決しています。カナダの音楽のアシッド感はルーツとしてアイリッシュが入っているので納得できるし、コード感や粋で落ち着いた感じはフレンチ、ジョニ・ミッチェルやグレン・グールドなど独創性としても「カナディアン」というジャンルは生きています。ジャケも洒落ているし、カントリー感はほんのり香る程度、少し弱めのメロディも数回聴いているうちにクセになる感じ、結局ターンテーブルに置かれる回数が多い作品はこういう内容のもの、そんな“糠漬けの白菜”のような、しみじみとした美味しさがあります。【蛇足ながら】 デンマークのもっと!もっと!もっと!評価されて然るべき女性ボーカル作品を。Mariae Korr / Valmuer Og Jerbeto (78’)“音楽の豊かさ”を少なからず理解しておられる方ならちょっと聴いただけでこの作品の良さがピンとくる筈。喩え、もし、好みでなかったにせよ認めざるを得ないこの完成度を無視することはできないでしょう。数億円の器でも数千円の器でも、有名無名値段に関わらず良さを見抜くような審美眼が試されるところです。#アシッドサイケ #Psych #ワールド #AcidFolk #フォークロック #女性ボーカル